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生成AI利用ルールのひな形|入力禁止情報の線引きから始める

生成AIのルールづくりで、現場でよく見るのは「使うな」とは書いてあるのに「何ならいいか」が決まっていない状態です。その結果、禁止されたはずのAIを、個人のアカウントで使ってしまう「シャドーAI」が生まれます。 最初に決めるべきなのは、「入力してはいけない情報」と「AIの回答をそのまま使ってはいけない業務」の2つの線引きです。この2つを土台にしたひな形を、そのまま編集できるWord形式で無料公開します。

Word版をダウンロード(無料)A4・4ページ程度。[ ]の部分を自組織向けに書き換えてお使いください

このひな形は、「使うな」だけで止まっている組織や、ルールがないまま個人がAIを使い始めている組織が、最初の一歩として使えるように作っています。

最初に決めるべきなのは、「何を入力してはいけないか」と「AIの回答をそのまま使ってはいけない業務は何か」の2点です。細かい運用は、この2つの線引きができてから後で詰めても間に合います。

[ ]や下線の部分は、自組織の状況に合わせて書き換えてください。

1. 目的

このルールは、[組織名]の業務で生成AI(ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotなど)を利用する際に、情報漏えいや誤情報の利用を防ぎつつ、業務の効率化に役立てることを目的とします。

AIは「考え始めるまでの時間を短くする道具」として、たたき台づくりや下書きの支援に使うことを基本とします。

2. 対象者と利用を認めるサービス

このルールは、[組織名]の役員・従業員・委託先など、業務で生成AIを利用するすべての人に適用します。

業務で利用してよいAIサービスは、下表のものに限ります。表にないサービスを業務で使いたい場合は、事前に[担当部署・担当者]へ申請してください。

サービス名利用してよい範囲アカウントの種類承認者
[例:○○○][例:文章の下書き・要約][例:法人契約アカウント][氏名]
[ ][ ][ ][ ]
[ ][ ][ ][ ]

3. 入力してはいけない情報(入力禁止)

次の情報は、理由を問わず、AIサービスに入力してはいけません。

  • 個人を特定できる情報(顧客・取引先・従業員・住民などの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、マイナンバーなど)
  • パスワード、APIキー、アクセストークンなどの認証情報
  • クレジットカード番号・口座番号などの金融情報
  • 取引先や顧客から預かった機密情報、秘密保持契約(NDA)の対象となる情報
  • 公表前の経営情報・財務情報・人事情報・入札や契約に関する情報
  • 社内システムの構成(IPアドレス、社内URL、ネットワーク構成など)
  • 「社外秘」「取扱注意」などの表示があるファイルの内容
  • [自組織で追加する禁止情報]

4. 条件付きで入力できる情報

次の情報は、条件を守った場合に限り入力できます。迷った場合は入力せず、[相談窓口]に確認してください。

情報の種類入力できる条件
メール・文書の下書き氏名・社名・金額・日付などを仮名や記号(A社、Bさん、○円)に置き換える
議事録・会議メモの整理参加者名や案件名を伏せ字にし、未公開の情報を含まない部分だけを使う
エラーログ・設定ファイルIPアドレス・ホスト名・認証情報を削除またはダミーに置き換える
社内文書の要約・添削機密表示がなく、第三者に見られても問題のない内容に限る

5. 入力してよい情報

  • すでに公開されている情報(自組織のWebサイト、公開資料、一般的な知識)
  • 個人や組織が特定できない、一般化した状況の説明
  • 文章の言い回しや構成の相談(固有名詞を含まないもの)
  • ExcelやプログラムのコードのうちAPIキーなどの認証情報を含まない部分

6. AIの回答をそのまま使ってはいけない業務

AIは、もっともらしく見えても事実と異なる内容(ハルシネーション)を出力することがあります。次の業務では、AIの回答をそのまま使わず、必ず担当者が根拠を確認してください。

業務扱い確認の方法
法令・契約・規約の解釈参考にとどめる原文・公式資料・専門家で確認する
対外的な公式文書・お知らせ下書きまで責任者が内容をすべて確認してから発信する
数値・統計・日付・固有名詞そのまま使わない出典となる資料と照合する
人事評価・採用・住民や顧客への判断判断には使わない人が根拠をもって判断する
医療・安全・インフラなど人命や安全に関わる内容使わない専門の担当者・公式の基準に従う
プログラムのコードそのまま本番に使わないレビューとテストを行い、動作を確認する

7. 回答を使う前の確認

  • 「答えを出させる」のではなく、「確認すべき点を教えてもらう」使い方を基本にする
  • 元になる資料と食い違っていないか、重要な数字や固有名詞は必ず照合する
  • 他者の文章や画像と酷似していないか、著作権や利用規約に問題がないかを確認する
  • AIが作成した内容を使った場合でも、最終的な責任は利用者と承認者が負う

8. 誤って入力してしまった時の手順

  1. 入力した内容、日時、利用したサービス名を記録する(スクリーンショットなど)
  2. すぐに[報告先の部署・担当者]へ報告する。自分で判断して隠さない
  3. サービスの設定で、履歴の削除や、入力内容を学習に利用しない設定ができるか確認する
  4. 漏えいの可能性がある情報の種類に応じて、担当者の指示のもと、関係者への連絡や対応を行う
  5. 再発防止のため、原因と対策をこのルールの見直しに反映する

9. 禁止事項

  • 第2項の表にないAIサービスを、業務情報とともに利用すること
  • 個人のアカウントに業務の文書や情報を貼り付けること
  • AIの回答を確認せずに、対外的な文書や判断に利用すること
  • このルールを回避する目的で、情報の一部を加工して入力すること(仮名化の条件を守らない場合を含む)

10. 見直しと相談窓口

AIサービスの機能や規約は頻繁に変わります。このルールは、[半年に1回など]を目安に見直します。

ルールの解釈に迷った場合や、新しいサービスの利用を希望する場合の相談窓口は[部署名・担当者・連絡先]です。

制定日:[ ] 最終改定日:[ ] 管理責任者:[ ]

運用開始前のチェックリスト

  • ☐ 利用を認めるAIサービスの一覧が決まっている
  • ☐ 入力禁止情報に、自組織特有の情報(案件名・システム名など)を追加した
  • ☐ 「回答をそのまま使えない業務」を、自組織の実際の業務に合わせて見直した
  • ☐ 誤入力した時の報告先が決まっていて、全員が知っている
  • ☐ 法人向けのアカウントや契約で、入力内容の扱いを確認した
  • ☐ 個人アカウントでの業務利用について、方針を決めた
  • ☐ ルールを周知する方法(説明会・資料・掲示など)を決めた
  • ☐ 見直しの時期と担当者を決めた

ご利用にあたって

このひな形は、一般的な考え方をもとにした参考資料であり、法律上の助言ではありません。個人情報保護法や各業界の規制など、自組織に適用される法令・規程との整合は、必ず自組織の責任で確認してください。

AIサービスごとの入力内容の取り扱いは、契約・設定・規約によって異なります。利用前に、各サービスの公式な説明を確認してください。

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