一言でいうと
クラウドの仕組みは、「手元の端末」と「データセンターのコンピューター」を、インターネットでつないで、データや処理をやり取りするものです。
クラウドの基本的な意味は、クラウドはどこにある?実体は「誰かの会社のコンピューター」で解説しています。この記事では、データが、どう流れるのかに絞って、仕組みを整理します。
3つの登場人物
| 登場人物 | 役割 |
|---|---|
| 手元の端末 | スマホやパソコン。データを送ったり、見たりする |
| インターネット | 手元の端末と、データセンターを、つなぐ通り道 |
| データセンターのコンピューター | データを保存し、処理を行う。サービスを運営する会社が、管理している |
データの流れ:写真を保存する場合
スマホで撮った写真を、クラウドに保存する場面で、流れを追ってみます。
| 順番 | 動き |
|---|---|
| ① | スマホで、写真を撮る(最初は、スマホの中にだけ、ある) |
| ② | 写真が、インターネットを通って、データセンターへ送られる |
| ③ | データセンターのコンピューターが、写真を保存する。多くの場合、複数のコンピューターにコピーされる |
| ④ | 別の端末(パソコンなど)で、同じアカウントにログインする |
| ⑤ | データセンターから、写真が手元の端末に届き、表示される |
スマホが壊れても、データセンターに、コピーがあれば、写真は残ります。機種変更しても、同じアカウントでログインすれば、写真が見られるのは、このためです。
裏側の技術:3つのポイント
クラウドを支える技術は、数多くありますが、イメージをつかむための3つを紹介します。
① 仮想化:1台を、分けて使う
1台の物理的なコンピューターを、ソフトウェアの力で、複数の「仮想的なコンピューター」に分けて使います。多くの利用者が、1台のコンピューターを、効率よく分け合えるのです(コンテナとVMの違いも関連しています)。
② 分散:複数に、分けて置く
データを、1か所だけでなく、複数のコンピューターや場所に分けて置きます。1台が壊れても、他のコンピューターから、データを取り出せます。
③ 使った分だけ払う(従量課金)
必要な時に、必要な分だけ、コンピューターの性能や容量を借りて、使った分だけ料金を払う仕組みが、よく使われます。自分で機器を買い、管理する必要が、なくなります(オンプレミスとクラウドの違い)。
速く届く理由:近くのコピーを使う
海外のサービスなのに、表示が速いと感じることがあります。これは、世界各地に、データのコピーを置いて、近い場所から届ける仕組みが使われているためです(CDNとは)。クラウドは、単に「データを預ける場所」ではなく、速く、確実に届ける工夫も、含んでいます。
便利さの裏にある、「同期」の落とし穴
クラウドの便利さを支えているのが、同期です。同期とは、複数の端末とクラウドを、同じ状態にそろえることです。
- スマホで写真を撮ると、パソコンでも見られる
- パソコンで書いた文書が、スマホにも反映される
ただし、同期は、消した操作も、そろえてしまうことがあります。手元の端末で、ファイルを誤って削除すると、その削除が、クラウドにも、他の端末にも反映される場合があるのです。
「クラウドに保存しているから、消えない」わけではありません。同期は、バックアップとは別のものです(同期とバックアップの違い)。大切なデータは、2か所以上(クラウドと外付けなど)に、分けて持っておくと安心です。
クラウドを使う前に、確認したい4つのこと
- 二段階認証を設定しているか
- 容量の上限を、把握しているか
- 共有リンクの公開範囲が、適切か
- やめる時に、データを取り出せるか
オンプレミスと、仕組みを比べる
クラウドの仕組みを、**自分の建物にコンピューターを置く方法(オンプレミス)**と比べると、違いがはっきりします。
| 観点 | クラウド | オンプレミス |
|---|---|---|
| コンピューターの場所 | 事業者のデータセンター | 自社の建物や、自社が借りた設備 |
| 管理する人 | 設備は、事業者が管理する | 自分たちで管理する |
| 始める時の費用 | 小さく始めやすい | 機器の購入など、初期費用が大きい |
| 増やしたい時 | 必要な分だけ、すぐ増やせることが多い | 機器を買い足す必要がある |
| 自由度 | サービスの範囲内 | 自分たちの設計で、細かく決められる |
どちらが優れているわけではなく、目的・規模・運用できる人で選びます。違いの詳しい整理は、オンプレミスとクラウドの違いをご覧ください。
まとめ
- クラウドの仕組みは、手元の端末・インターネット・データセンターの3つで説明できる
- データは、複数のコンピューターにコピーされ、どの端末からも見られる
- 裏側では、仮想化・分散・従量課金などの技術が使われている
- 同期は便利だが、バックアップとは別。削除も反映される
- 大切なデータは、2か所以上に分ける
クラウドの種類(SaaS・PaaS・IaaS)や、パブリック・プライベートの違いは、クラウドはどこにある?実体は「誰かの会社のコンピューター」で解説しています。