「クラウドって何?」に、うまく答えられない
「クラウドって、何?」と聞かれると、説明に困ることがあります。「インターネット上の仕組みで…」と話し始めると、聞いている人の顔が、曇っていく。そんな経験をした方も、多いのではないでしょうか。
結論から言えば、**クラウドは、「どこかの会社のコンピューターに、データを預けたり、仕事をお願いしたりする仕組み」**です。この記事では、それを、小学生にも分かる3つの例え話で、説明します。
例え話① 貸し倉庫
クラウドは、遠くにある、大きな貸し倉庫です。
家の中が、物でいっぱいになった時、貸し倉庫に、荷物を預けることがあります。倉庫は、自分の家にはなく、会社が管理している建物です。必要な時に、取りに行けます。
- 自分の家 = スマホやパソコン
- 貸し倉庫 = クラウド(データセンター)
- 荷物 = 写真や書類
家が火事になっても、倉庫の荷物は無事です。同じように、スマホが壊れても、クラウドに預けた写真は、残ります。
例え話② 水道
クラウドは、水道のようなものです。
昔は、水を使うために、自分で井戸を掘って、管理する必要がありました。今は、水道につなぐだけで、使いたい時に、使いたい分だけ、水が出て、使った分だけ、料金を払います。
- 井戸を、自分で掘る = 自分でコンピューターを買って、管理する
- 水道を使う = クラウドを使う(会社が用意した設備を、借りる)
- 使った分だけ払う = 必要な分だけ、容量や性能を借りる
自分で、機械を持たなくても、必要な時に、必要な分だけ使えるのが、クラウドの便利な点です。
例え話③ 図書館
クラウドは、どこからでも借りられる、図書館です。
図書館の本は、家にも、学校にも、持っていけるわけではありません。でも、図書館に行けば、誰でも同じ本を、読めるのです。
クラウドも、スマホでも、パソコンでも、同じアカウントでログインすれば、同じデータが見られます。
3つの例え話の、まとめ
| 例え話 | 伝わること |
|---|---|
| 貸し倉庫 | データを預ける。壊れても、残る |
| 水道 | 自分で機械を持たず、使った分だけ払う |
| 図書館 | どこからでも、同じものが使える |
伝わる説明の、コツ
この仕組みを、人に説明する時、反応が一番変わる瞬間があります。**「クラウドは、どこかの会社のパソコンに、保存されているだけです」**と伝えた瞬間、「雲の中にある、特別な仕組み」だと思っていた人ほど、「じゃあ、USBメモリの代わりみたいなものなんですね」と、一気に腑に落ちてくれます。
逆に、「インターネット上の分散システムです」と説明してしまった時は、言葉としては間違っていないのに、相手の頭の中には、何のイメージも浮かばず、かえって分からなくさせてしまったことがあります。それ以来、「仕組みの正しさ」より、「イメージの伝わりやすさ」を優先するようにしています。
子どもに説明する時の、3つのコツ
- 身近なものに、置き換える:倉庫、水道、図書館のような、見たことがあるものを使う
- 一度に、全部説明しない:まず「どこかのコンピューターに預ける」だけを伝え、質問されたら、少しずつ足す
- 「困った時に役立つ」ことを、添える:「スマホが壊れても、写真が残る」のように、自分に関係する利点を伝える
大人に説明する時も、同じです。専門用語を並べるより、**「どこかの会社のパソコンに保存されているだけ」**の一言のほうが、伝わります。
「雲」という名前の理由
名前の由来は、ネットワーク構成図の描き方にあるとされています。インターネットの内部は、複雑で、細かく描ききれないため、「中身を意識しなくてよい部分」として、雲の形で表す慣習がありました。ですから、「雲の上の、不思議な場所」ではなく、**「中身を意識しなくても使える、向こう側のコンピューター」**と覚えておくと、分かりやすくなります。
「クラウドに預けたから、安心」とは限らない
例え話は、分かりやすい反面、限界もあります。貸し倉庫に預けた荷物は、自分で捨てない限り、残ります。しかし、クラウドは、同期の仕組みのため、手元で誤って削除すると、その削除が、クラウドにも反映されることがあります。
「クラウドに保存しているから、消えない」わけではありません。同期は、バックアップとは別のものです(同期とバックアップの違い)。大切なデータは、2か所以上に分けて持つことをおすすめします。
まとめ
- クラウドは、どこかの会社のコンピューターに、データを預けたり、仕事をお願いしたりする仕組み
- 例え話は、貸し倉庫・水道・図書館の3つが、伝わりやすい
- 説明のコツは、仕組みの正しさより、イメージの伝わりやすさ
- 「クラウドに保存=安心」とは限らない。同期は、削除も反映する
もう少し詳しく知りたい方は、クラウドはどこにある?実体は「誰かの会社のコンピューター」、クラウドの仕組みを図解でやさしく、クラウドサービスの例もご覧ください。