以前クラウドの記事でも触れましたが、専門用語を説明する時、「仕組みとして正しい説明」よりも「イメージが伝わる例え話」の方が、結局は理解の近道になることがよくあります。「インターネット上の分散システムです」と正確に説明するより、「どこかの会社のパソコンに保存されているだけです」と伝えた方が、相手の頭の中に実際のイメージが浮かぶ、という経験を何度もしてきました。
このサイトでは、これまで50種類近い専門用語を、身近なモノに置き換えて説明してきました。今回は、その例え話だけを一覧にまとめてみました。気になる用語があれば、リンク先の記事で仕組みの詳しい説明も読んでみてください。
基本の仕組み・データにまつわる例え話
- クラウド → どこかの会社のパソコンに保存する、いわばUSBメモリの代わり(クラウドとは)
- バイト・ビット・ギガ → 水の粒(ビット)、コップ1杯(バイト)、ペットボトル何百本分(ギガ)(バイト・ビット・ギガの違い)
- キャッシュ → よく読む本を、書庫でなく自分の机の上に置いておく仕組み(キャッシュとは)
- 圧縮とアーカイブ → 引っ越しの荷造り(圧縮とアーカイブの違い)
- コンテキストウィンドウ → 資料を広げられる、作業机の広さ(コンテキストウィンドウとは)
ネットワーク・インフラにまつわる例え話
- DNS → インターネット版の電話帳(DNSとは)
- CDN → 全国各地に店舗を展開するコンビニチェーン(CDNとは)
- VPN → 公共の道路の中に作る、専用の暗号化トンネル(VPNとは)
- APIキー → 施設を利用するための会員証(APIキーとは)
- CORS → 入館証を持たない来訪者への対応(CORSとは)
設計・アーキテクチャにまつわる例え話
- モノリシックとマイクロサービス → 一軒家と集合住宅(モノリシックとマイクロサービスの違い)
- コンテナとVM → 一戸建てとマンションの一室(コンテナとVMの違い)
- サーキットブレーカーパターン → 家庭の電気のブレーカー(サーキットブレーカーパターンとは)
- 冪等性 → 連打しても、来るエレベーターは1台だけ(冪等性とは)
- レースコンディション → 2人が同時に出金して、残高以上に引き出されてしまう銀行口座(レースコンディションとは)
プログラミングの基本にまつわる例え話
- 関数 → お金を入れてボタンを押すだけの、自動販売機(関数とは)
- アルゴリズム → 決まった手順通りに作る、料理のレシピ(アルゴリズムとは)
- コンパイラとインタプリタ → あらかじめ翻訳された本と、その場で行う同時通訳(コンパイラとインタプリタの違い)
位置情報・セキュリティにまつわる例え話
例え話を選ぶ時に意識していること
数字や専門用語をそのまま説明するのではなく、「困る場面」や「日常で見慣れているもの」に置き換えることを意識しています。例えば、GPSの誤差を「10メートル」と数字で伝えるより、「隣の店に入ってしまうレベル」と言い換えた方が、多くの人が一瞬で実感を持ってくれます。逆に、正確さを優先して専門的な言葉のまま説明すると、言葉としては正しくても、相手の頭の中には何のイメージも浮かばない、ということがよくあります。仕組みの正しさより、まず伝わるイメージを優先する。この順番を意識するだけで、説明の伝わり方は大きく変わります。
まとめると
IT用語の多くは、目に見えない仕組みを扱っているぶん、定義をそのまま聞いても実感が湧きにくいものです。今回まとめた例え話が、それぞれの用語への「最初の入り口」になれば嬉しく思います。気になった用語があれば、リンク先の記事で仕組みそのものも確認してみてください。