ダークパターンとは何か
ダークパターンとは、Webサイトやアプリのデザインを意図的に工夫することで、利用者に本来意図していなかった判断や行動を、気づかないうちに取らせてしまう仕組みのことです。近年、消費者保護の観点から、世界的に問題視されるようになってきています。
よく指摘される具体的な手口の例
- 無料お試しの登録は簡単なのに、解約手続きのボタンが極端に見つけにくい場所に配置されている
- 「今だけ」「残りわずか」といった表示で、必要以上に急かして冷静な判断をさせないようにする
- 追加のオプションが、あらかじめチェックが入った状態で表示されており、気づかずに申し込んでしまう
- 「いいえ、お得な情報はいりません」のように、あえて選びにくい否定的な表現でボタンを作り、心理的に「はい」を選ばせようとする
なぜこうしたデザインが使われてしまうのか
短期的な成果(登録者数の増加、解約率の低下など)を追求するあまり、利用者にとっての誠実さよりも、事業者側の都合が優先されてしまうことが背景にあるとされています。
「わかりにくい契約書の小さな文字」に例えると
ダークパターンは、契約書の中に、意図的に読みにくい小さな文字で不利な条件を紛れ込ませておくような行為に例えられます。表面的には自由に選択しているように見えても、実際には巧妙に誘導されている、という点が問題視されています。
規制の動きも進んでいる
こうした利用者に不利益を与えるデザイン手法に対して、各国で法規制の整備が進められています。特に、解約手続きを不当に複雑にする行為などについては、消費者保護の観点から、規制の対象とする動きが強まっています。
利用者として気をつけたいこと
- 「今すぐ」「たった今だけ」といった、判断を急かす表示には、一度立ち止まって冷静に確認する
- 申し込み前に、あらかじめチェックが入っている項目がないか確認する
- サービスに登録する前に、解約方法についても事前に調べておく
「使いやすい」と「利用者に親切」は別物
ダークパターンで印象的なのは、明らかに悪質なものより、一見すると普通なのに、よく見ると利用者が望まない方向へ誘導される設計です。「無料で試す」というボタンは大きく表示されているのに、解約方法が非常に分かりにくい。あるいは「同意する」は目立つのに「設定を変更する」は何階層も先にある、といったケースをよく見かけます。
こういう設計を見ると、「使いやすいサイト」と「利用者にとって親切なサイト」は必ずしも同じではないと感じます。ITを仕事で見るようになると、「このボタンを押させたいのは誰なのか」という視点でサイトを見るようになります。
押さえておきたいポイント
ダークパターンは、利用者の心理を巧みに利用した、誤誘導のデザイン手法です。「使いやすさ」の裏に隠れた意図に気づく視点を持っておくことが、身を守る第一歩になります。
参考
※ 規制や事例は変化することがあるため、最新の情報は上記の公式ページもあわせてご確認ください。