よろずやIT
用語辞典

データレイクとデータウェアハウスの違い|目的から選ぶ考え方

執筆・監修:よろずやIT編集部|編集方針を見る

結論:まずここだけ読めばOK

詳しい手順・原因は、この下で解説しています。

用語辞典のイラスト

一言でいうと

データレイクとデータウェアハウスは、どちらも、データを蓄積する仕組みです。ただし、役割が異なります。

データレイク データウェアハウス
役割 さまざまな形式のデータを、幅広く蓄積する場所 分析や報告に使いやすいよう、データを整理・統合して蓄積する仕組み
イメージ 水を一度ためておく、大きな湖 目的に合わせて、棚に整理された倉庫

なぜ、混乱しやすいのか

現場で混乱しやすいのは、どちらも、「データをためておく場所」と、説明できてしまうからです。

その説明だけでは、なぜ両方が必要なのか、どちらを選べばよいのかが、分かりません。

目的で考える

用語の違いを覚えるより、「何のために使うのか」で考えると、整理しやすくなります。

こんな目的 向いている候補
ログ・ファイル・センサー情報などを、幅広く保存しておき、後から用途を検討したい データレイク
売上や顧客数などの指標を統一し、定期的なレポートや経営判断に使いたい データウェアハウス
保存は柔軟にしつつ、分析のしやすさも、確保したい 両方の組み合わせ、または両者の特徴を併せ持つ構成

「生データ/加工済み」だけで覚えない

よく見かける説明が、「データレイクは生データ、データウェアハウスは加工済みデータ」というものです。方向性としては、間違いではありません。しかし、この説明だけで覚えると、かえって誤解する可能性があります。

両者の特徴を併せ持たせる構成は、「データレイクハウス」などと呼ばれることがあります。ただし、言葉の意味には、幅があります。

一般的な傾向

参考として、一般的に語られる傾向を整理します。あくまで傾向であり、製品や構成によって、例外があります。

観点 データレイク データウェアハウス
扱うデータ 構造化されたものも、そうでないものも 整理された、構造化データが中心
構造を決めるタイミング 使う時に決める傾向 保存する前に、決める傾向
主な利用者 データを扱う専門の担当者が多い 分析・報告を行う、幅広い担当者
向いている使い方 将来の用途が、まだ決まっていないデータの保存 決まった指標での、定期的な分析・報告

具体例で考える

2つの例で、考え方を確かめます。

場面 保存したいデータ 考え方
設備の稼働状況を分析したい センサーのログ、保守の記録、メモのファイル 形式がバラバラで、将来の用途も固まっていない。まず幅広く保存しておく、データレイク的な発想が合いやすい
毎月の経営報告をしたい 売上、顧客数、原価 指標を統一し、誰が見ても同じ数字になる状態が必要。整理して蓄積する、データウェアハウス的な発想が合いやすい

どちらも、「何に使うか」が決まると、必要な形が見えてくることが分かります。

よくある失敗

小さく始めて、使われ方を見ながら、仕組みを育てていくほうが、結果として、無駄が少なくなります。

選ぶ前に考えたい3つのこと

用語を覚えるよりも、次の3つから考えることが重要です。

  1. どんなデータを、保存するのか(売上のような整理されたものか、ログやファイルのような多様なものか)
  2. 何のために保存するのか(定期報告か、将来の分析のためか)
  3. 誰が、どのように使うのか(専門の担当者か、現場の担当者か)

特に、整理された指標で分析する場合は、数字の定義をそろえることが欠かせません。顧客数や売上のような指標の定義がそろっていないと、どんな仕組みを入れても、数字がぶれます(データ分析の前に決める4つのこと)。

関連する考え方

データを、種類や場所ごとにつなぎ、一元的に扱う考え方として、データファブリックとはもあります。

まとめ

関連記事:ETLとELTの違い、データガバナンスとは

PRMicrosoft Fabric入門 ーーレイクハウスで実現するAI時代の統合データ基盤 【電子書籍】[ 立脇裕太 ]

Microsoft Fabric入門 ーーレイクハウスで実現するAI時代の統合データ基盤 【電子書籍】[ 立脇裕太 ]

¥3,740

楽天で見る
SHAREXLINEはてブ

よくある質問

Q.データレイクとデータウェアハウスは、どちらか一方だけあればよいですか?

A.目的次第です。多様なデータをまず保存しておき、後から用途を考えたいなら、データレイクが候補になります。売上や顧客数などの指標をそろえ、定期的な報告や判断に使いたいなら、データウェアハウスが向いている場合があります。両方を組み合わせて使う構成も多くあります。

Q.データレイクハウスとは、何ですか?

A.データレイクの柔軟さと、データウェアハウスの扱いやすさを、あわせ持たせようとする構成を指す言葉として使われています。製品や考え方によって、意味に幅があるため、導入を検討する時は、具体的に何ができるのかを、確認してください。

Q.小さな組織でも、必要ですか?

A.最初から、大がかりな仕組みを用意する必要はありません。まず、「何を判断するための分析か」「そのために、どのデータが必要か」を整理することが先です。必要が見えてから、仕組みを選ぶほうが、失敗が少なくなります。

関連記事

最新のIT関連書籍 トップ10

PR / 楽天市場の売れ筋ランキングを定期的に取得しています。価格は変動する場合があるため、購入前に各ストアでご確認ください。