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データ分析の前に決める4つのこと|目的と指標の定義をそろえる

執筆・監修:よろずやIT編集部|編集方針を見る

結論:まずここだけ読めばOK

詳しい手順・原因は、この下で解説しています。

仕事のイラスト

最初に確認するのは、手法ではなく「目的」

データ分析の支援で、最初に確認したいのは、どんな手法を使うかではありません。**「何を明らかにしたくて、その結果を何に使うのか」**という、目的です。

データが大量にあっても、目的が曖昧なまま分析を始めると、きれいなグラフや細かな集計はできても、結局どの判断に役立つのか分からない、という状態になりがちです。

例:「売上データを分析したい」

たとえば、「売上データを分析したい」という相談があったとします。同じ言葉でも、目的が違えば、見るべきデータも、分析の方法も変わります。

目的 見るもの 分析の方向
売上の状況を把握したい 期間ごとの売上の推移、全体の傾向 集計と、見やすい可視化
売上が落ちている原因を知りたい 商品・地域・顧客層などの内訳、前の期間との比較 どこで落ちているかの切り分け
次にどの商品へ投資するかを判断したい 商品ごとの利益、成長の度合い、今後の見込み 比較と、判断の材料の整理

「売上を分析したい」という依頼を、そのまま受けるのではなく、**「その結果で、何を決めるのか」**まで聞くことで、分析の方向が決まります。

もう一つの落とし穴:数字の「定義」

目的と並んで重要なのが、数字の定義です。

たとえば、「顧客数」という言葉は、次のように、いくつもの意味で使えます。

定義 内容
期間内の購入者数 その期間に、実際に購入した人数
登録されている全顧客数 購入の有無にかかわらず、登録されているすべての人数
重複を除いた人数 同じ人が複数回カウントされないように、まとめた人数

どれを使うかで、結果は大きく変わります。担当者ごとに集計方法が違えば、同じデータを使っているつもりでも、異なる数字が出てしまいます。会議で数字が合わない時、原因は、計算の間違いではなく、定義の違いであることが少なくありません。

分析の前に整理したい4つ

そのため、データ分析では、いきなり集計や可視化に入るのではなく、次の4点を整理します。

整理すること 問い
① 判断 何を判断するための分析か
② 指標 その判断に、必要な指標は何か
③ 定義 その指標を、どのように定義するか(期間・対象・重複の扱い)
④ データの質 欠損・重複・更新時期に、問題はないか

特に③は、関係する人で、そろえることが大切です。決めた定義は、文書に残しておくと、後から数字が食い違った時に、確認できます。

分析を頼まれた時に、最初に聞く質問

分析の依頼を受けた時は、次の質問から始めると、方向がぶれにくくなります。

  1. この分析の結果を、誰が、何を決めるために使いますか
  2. いつまでに、どの程度の精度が必要ですか
  3. 今、どの数字を見ていて、何が気になっていますか
  4. その数字は、誰が、どのように集計していますか(定義は、そろっていますか)
  5. 使えるデータは、どこにあり、いつ更新されますか

5つ目まで答えが出ない場合、分析に入る前に、データと定義の整理が必要です。

数字が合わない時の確認の順番

会議で、「担当者によって、数字が違う」という状況になった時は、計算の間違いを探す前に、次の順で確認すると、原因が見つかりやすくなります。

順番 確認すること
① 定義 同じ言葉を、同じ意味で使っているか
② 期間 集計の期間(開始日・終了日)が、そろっているか
③ 対象 含める対象・除く対象(キャンセル・テストデータなど)が、そろっているか
④ 重複 同じものを、二重に数えていないか
⑤ 更新時期 データを取り出した時点が、そろっているか

多くの場合、計算の誤りよりも、前提の違いが原因です。この確認の順番を、チームで共有しておくだけでも、数字をめぐる議論が、短くなります。

手法より、「問いを立てる」力

データ分析で大切なのは、難しい分析手法を使うことより、数字の意味を正しくそろえ、判断につながる問いを立てることだと考えています。

きれいなグラフを作ることが、目的ではありません。「このグラフを見て、誰が、何を決めるのか」に答えられる分析こそが、役に立つ分析です。

AIや表計算ソフトで集計する時も同じ

AIに集計を頼む時も、Excelで集計する時も、同じことが言えます。「顧客数を出して」と頼むだけでは、どの定義で数えるかが、伝わりません。定義と、期間、対象を、明示して頼んでください。出てきた数字は、手計算で一部を確認することも大切です(ExcelでAIに関数を書かせるコツ、AIの嘘を見抜く5つの方法)。

まとめ

関連記事:指標の定義書の作り方(無料Excelテンプレートつき)

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よくある質問

Q.データ分析は、何から始めればよいですか?

A.まず、「何を判断するための分析なのか」を、一文で書き出してください。そのうえで、判断に必要な指標を決め、指標の定義をそろえてから、集計や可視化に進みます。いきなりグラフを作ると、きれいでも判断に使えない結果になりがちです。

Q.指標の定義は、誰が決めるべきですか?

A.分析する人だけで決めず、その数字を使って判断する人や、現場の担当者と相談して決めるのが基本です。同じ言葉でも、部署や担当者によって、意味が違うことがあるためです。決めた定義は、文書に残しておくと、後から数字が食い違った時に、確認できます。

Q.難しい分析手法を、知らないと困りますか?

A.手法は大切ですが、多くの場面では、手法よりも、目的の整理と、数字の意味をそろえることのほうが、結果に大きく影響します。まず基本の集計と可視化で、判断に使える形にすることを優先してください。

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