議事録は、AIと相性のよい作業
会議の後に議事録をまとめる作業は、手間がかかる割に、頭を使う部分は意外と少ない作業です。メモを読み返し、決まったことを拾い、体裁を整える。この「ゼロから考え始めるまでの時間」を短くしてくれるのが、AIです。
AIに最初のたたき台を作らせて、人が確認・修正する。この使い方なら、時間は大きく減らせます。ただし、そのままメモを貼ると、個人情報や社外秘が混ざることに注意が必要です。この記事では、安全に整理するための手順を紹介します。
手順:5つのステップ
ステップ① 元のメモを用意する
整理したいメモ(箇条書きでも、走り書きでも構いません)を用意します。録音や文字起こしを使う場合は、参加者の了解と組織のルールを、先に確認してください。
ステップ② 貼る前に、伏せ字にする
メモの中から、次のものを探して、仮名や記号に置き換えます。
| 置き換える対象 | 置き換え例 |
|---|---|
| 人の氏名 | Aさん、Bさん、担当者C |
| 会社名・取引先名 | A社、B社 |
| 案件名・製品名(未公開のもの) | 案件X、製品Y |
| 金額・数量 | ○円、約□件 |
| メールアドレス・電話番号 | (連絡先)と書き換える |
置き換えた対応表は、手元のメモに残しておきます。後で、元の名前に戻す時に使います。置き換え漏れの確認には、AIに貼る前チェックが使えます。氏名や社名が、機械的には見つけにくいことがあるため、最後は自分の目で、もう一度読み返してください。
ステップ③ 「4項目」を指定して頼む
「議事録をまとめて」と頼むだけだと、長い文章が返ってきて、結局使いにくくなります。出力の形まで指定するのがコツです。
次の会議メモを、①決定事項 ②未決事項 ③担当者と期限(表形式) ④次回までの宿題 の4項目に整理してください。メモに書かれていない内容は追加せず、不明な点は「記載なし」としてください。 【メモ】[伏せ字にしたメモを貼る]
「メモに書かれていない内容は追加しない」「不明な点は『記載なし』とする」の2点を入れておくと、AIが、勝手に内容を補うことを減らせます。
ステップ④ 元のメモと照合する
返ってきた内容を、元のメモと見比べます。確認する場所を絞ると、短時間で済みます。
- 担当者が、正しい人になっているか
- 期限が、元のメモと一致しているか
- 決定事項と未決事項が、入れ替わっていないか
- メモにない内容が、追加されていないか
特に、担当者と期限の取り違えは、起きやすいミスです。ここが間違ったまま共有されると、会議の後の動きに影響するため、必ず確認します。
ステップ⑤ 名前を戻して、共有する
確認が終わったら、仮名を元の名前に戻します。この作業は、AIには任せず、自分の手で行います。対応表を見ながら、置き換えていきます。
「4項目」が効く理由
出力の形を指定しない場合と、した場合で、返ってくる内容は大きく変わります。
| 頼み方 | 返ってくるもの | 使いやすさ |
|---|---|---|
| 議事録をまとめて | 会議の流れに沿った、長い文章 | 読むのに時間がかかり、決定事項を探す手間がある |
| 決定事項・未決事項・担当者・期限の4項目で整理して | 項目ごとに分かれた、短い整理 | そのまま共有でき、確認もしやすい |
読む人は、「結局、何が決まって、誰がいつまでに何をするのか」を知りたいものです。読む人が必要とする項目を、先に指定することが、実用的な議事録になる近道です。頼み方全般のコツは、ChatGPTに何を聞けばいいか分からない時の対処法で紹介しています。
よくある取り違えと、見るポイント
AIが整理した議事録には、次のような取り違えが起きやすくなります。確認の時に、意識して見てください。
| 起きやすいこと | 見るポイント |
|---|---|
| 担当者が、別の人になっている | 「〇〇さんが対応」という発言と、表の担当者が一致しているか |
| 期限に、メモにない日付が入っている | 期限が、メモに書かれた発言と、一致しているか |
| 検討中の話が、「決定事項」になっている | 「〜する方向で」「検討する」が、決定事項に入っていないか |
| 数字や固有名詞が、微妙に変わっている | 金額・数量・製品名を、メモと見比べる |
| 発言していない内容が、追加されている | メモにない文章が、混ざっていないか |
「検討する」と「決まった」の区別は、特に大事です。AIは、会議の雰囲気を、それらしく整えすぎてしまうことがあります。決定事項に入っている項目は、メモの中で、はっきり決まったと分かる発言があるかを、一つずつ確認してください。