結論: EDR(イーディーアール)は、パソコンやサーバーの動きを記録し、不審な動きを検知して、隔離や調査につなげる仕組みです。**アンチウイルスが「入口で防ぐ」**のに対し、**EDRは「入られた後を見つけて止める」**役割です。ただし、入れただけでは守れず、アラートを見て判断する運用が必要です。
EDRとは
EDRは、Endpoint Detection and Response(エンドポイント・ディテクション・アンド・レスポンス)の略です。直訳すると、**「端末での検知と対応」**です。
エンドポイントとは、ネットワークにつながる端末のことです。パソコンやサーバーなどが含まれます。攻撃は、多くの場合、端末から始まり、そこから社内のほかの場所へ広がります。
アンチウイルスとの違い
| アンチウイルス | EDR | |
|---|---|---|
| 役割 | 入口で防ぐ | 入られた後を見つけて止める |
| 主な対象 | 既知のウイルス、怪しいファイル | 端末での、不審な一連の動き |
| 得意なこと | 既知のものを、素早く止める | 新しい手口や、見逃した侵入を、見つける |
| 前提 | 侵入を防げる | 侵入を完全には防げない |
攻撃の手口は、毎日のように変わります。すべてを入口で止めるのは難しいため、「入られた後に、早く気づいて止める」という考え方が必要になります。ウイルスの種類は、マルウェアとウイルスの違いで解説しています。
EDRの4つの働き
① 記録
端末で起きた動きを、継続的に記録します。
- どのプログラム(プロセス)が動いたか
- どのファイルが作られた・変更された・消された
- どこと通信したか
- 誰が、いつ、ログインしたか
② 検知
記録した動きの中から、不審なものを見つけます。たとえば、次のようなものです。
- 普段使わない場所から、管理者の権限が使われた
- 文書ソフトから、突然、別のプログラムが起動した
- 短時間に、大量のファイルが書き換えられた
不審な動きがあると、アラートで知らせます。
③ 対応
被害が広がる前に、止めます。
- その端末を、ネットワークから隔離する
- 不審なプログラム(プロセス)を停止する
- 必要に応じて、ファイルを隔離する
④ 調査
いつ、何が、どこまで起きたかを、記録をさかのぼって調べます。原因を特定し、同じ被害を防ぐために役立ちます。記録がないと、「何をされたか分からない」状態になり、被害の範囲を確定できません。
入れただけでは、守れない
EDRで大切なのは、運用です。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| アラートの判断 | 本物の攻撃か、誤検知かを、見分ける人が必要 |
| 夜間・休日 | 攻撃は、時間を選ばない。対応できる体制があるか |
| 誤検知 | 正常な動作を、不審と判断することがある。設定の調整が必要 |
| 端末への負荷 | 記録のためのソフトが、端末で動く。性能に影響することがある |
判断や対応ができる人がいない場合は、MDR(Managed Detection and Response)という、運用を任せるサービスもあります。
関連する言葉
| 言葉 | 内容 |
|---|---|
| EPP | 入口で防ぐ製品の総称。従来のセキュリティソフトが含まれる |
| EDR | 端末の動きを見て、検知・対応する |
| XDR | 端末に加えて、メール・ネットワーク・クラウドの情報も合わせて分析する |
| MDR | EDRなどの運用(監視・判断・初動対応)を、専門の会社に任せるサービス |
導入前に確認したいこと
- 対象の端末:パソコン、サーバー、スマートフォンのうち、どこまで守るか。OSに対応しているか
- 運用体制:アラートを、誰が、どの時間帯に見るか。自社で難しければ、MDRを検討する
- 費用:多くは、端末の台数に応じた月額。運用の人件費も含めて考える
- ほかの対策との組み合わせ:アンチウイルス、メールの対策、認証(SSOとは)などと、どう組み合わせるか
- 記録の保管期間:調査に必要な期間、さかのぼれるか
個人の場合は
個人のパソコンでは、EDRは、通常、必要ありません。次の基本を守ることが、現実的な対策です。
- OSとアプリの更新を、すぐに適用する
- 二段階認証を設定する(二段階認証とパスキー)
- 出どころの分からないファイルやリンクを開かない
- 重要なデータは、バックアップを取る
ランサムウェアの被害は、ランサムウェアとはをご覧ください。
まとめ
- EDRは、端末の動きを記録・検知・対応・調査する仕組み
- アンチウイルスは入口で防ぎ、EDRは入られた後を見つけて止める。役割が違い、組み合わせて使う
- 入れただけでは守れない。アラートを判断する運用が必要で、難しければMDRもある
- XDRは、端末以外(メール・ネットワーク・クラウド)にも範囲を広げたもの
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