ランサムウェアとは何か
ランサムウェアとは、感染したパソコンやサーバーの中にあるファイルを勝手に暗号化(内容を読み取れない状態に)してしまい、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する、悪質なプログラム(マルウェア)の一種です。「ランサム(ransom)」は英語で「身代金」という意味です。
図で見る、被害を分ける「バックアップ」の有無
同じように感染してしまっても、日頃の備え次第でその後の展開は大きく変わります。
何が起こるのか
感染すると、パソコン内の写真や書類などのファイルが、突然開けなくなります。多くの場合、画面上に「ファイルを元に戻したければ、指定の期限までに指定の方法で支払いをするように」といった内容の脅迫文が表示されます。
感染経路として知られているもの
- 不審なメールに添付されたファイルを開いてしまう
- 信頼性の低いWebサイトから、偽装されたソフトをダウンロードしてしまう
- ソフトウェアの脆弱性(セキュリティ上の弱点)が放置されたパソコンが、ネットワーク経由で攻撃を受ける
身代金を払うべきではないとされる理由
多くのセキュリティ専門機関は、身代金を支払わないよう呼びかけています。支払ったとしても、必ずしもファイルが元に戻る保証はなく、また支払いに応じたことで、さらなる金銭要求や、別の攻撃の標的にされるリスクも指摘されています。IPA(情報処理推進機構)のランサムウェア対策特設ページでも、被害低減のための国際的なプロジェクトと連携した情報提供が行われています。
実際によくある「バックアップの落とし穴」
バックアップを取っていたつもりでも、実際に役に立たなかったというケースも報告されています。
- 外付けハードディスクを常にパソコンに接続したままにしていたため、そのハードディスクの中身まで一緒に暗号化されてしまった
- クラウドの自動同期機能を使っていたが、暗号化されたファイルの状態がそのまま同期されてしまい、結局復元できなかった
こうした失敗を避けるためには、バックアップ先を普段は物理的・論理的に切り離しておく(バックアップ時だけ接続する、同期のタイムラグを考慮するなど)工夫が重要です。
「バックアップは取っています」の落とし穴
ランサムウェアで怖いのは、感染そのものよりも、「バックアップがあるから大丈夫」と思っていたのに、そのバックアップまで使えないケースです。普段使っているファイルとバックアップ先が同じ環境にあり、そこまで影響を受けてしまうことがあります。また、「バックアップは自動で取っています」という企業でも、実際に復元できるかを確認していないケースが少なくありません。これはスマホのバックアップと同じで、「バックアップしている」ことと「復元できる」ことは別なのです。ランサムウェア対策というと難しいセキュリティ技術を想像しがちですが、まずは「重要なデータを失ったとき、本当に戻せるか」を確認することが重要だと感じています。
予防のためにできること
- OSやソフトウェアを常に最新の状態に保ち、セキュリティ上の弱点を放置しない
- 身に覚えのないメールの添付ファイルやリンクを不用意に開かない
- 重要なデータは、日頃から外部の記憶媒体やクラウドにバックアップを取っておく(感染時に、身代金を払わずに復旧できる可能性が大きく高まります)
- 信頼できるセキュリティソフトを導入し、最新の状態に保つ
参考
※ 内容は変化することがあるため、最新の情報は上記の公式ページもあわせてご確認ください。
もし感染してしまったら
すぐにネットワークからパソコンを切り離し(Wi-Fiをオフにするなど)、他のパソコンへの感染拡大を防ぎましょう。その上で、警察庁の相談窓口や、情報処理推進機構(IPA)などの公的な相談窓口に連絡することが推奨されています。
専門用語は誤解が生まれやすいため、複数の情報源を確認しながら、できるだけ正確な説明を心がけました。
要点を整理すると
ランサムウェアは、日頃のバックアップと基本的なセキュリティ対策によって、被害を大きく減らすことができます。まずは「バックアップを取る」という習慣から始めてみましょう。ただし、バックアップの取り方によっては効果が薄れてしまうこともあるため、保存先を分けておくことも忘れずに意識してみてください。
この記事の情報源
※ 手口や対策は日々更新されるため、最新の注意喚起情報は上記の公式ページもあわせてご確認ください。
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