レイテンシとは「反応が返ってくるまでの時間差」
レイテンシとは、パソコンやスマホから何らかの操作(データの送信)を行ってから、その反応(応答)が返ってくるまでにかかる、わずかな時間の遅れのことです。日本語では「遅延」とも呼ばれます。
以前紹介した「帯域幅」との違い
以前の記事で紹介した帯域幅が「道路の車線数(一度にどれだけ運べるか)」だとすれば、レイテンシは「車が目的地に到着するまでにかかる時間」に例えられます。この2つは、混同されやすいですが、まったく別の指標です。
- 帯域幅が広くても、レイテンシが大きい:一度に大量のデータは運べるが、届くまでに時間がかかる状態(大型トラックでたくさんの荷物を運べるが、道のりが遠い)
- 帯域幅が狭くても、レイテンシが小さい:一度に運べる量は少ないが、届くまでは速い状態(小型のバイクで、近い距離をすぐに届ける)
動画のダウンロードには帯域幅の広さが重要視される一方、オンラインゲームやビデオ通話のようなリアルタイム性が求められる場面では、レイテンシの小ささ(遅延の少なさ)がより重要になります。
レイテンシが大きいと何が起こるか
- オンラインゲームで、自分の操作が画面に反映されるまでにわずかなラグ(遅れ)を感じる
- ビデオ通話で、相手の発言と口の動きに、微妙なズレが生じる
- ボタンをクリックしてから、画面が反応するまでに、もたつきを感じる
レイテンシに影響する要因
- 物理的な距離(サーバーとの距離が遠いほど、レイテンシは大きくなる傾向があります)
- 経由するネットワーク機器の数
- Wi-Fiと有線接続の違い(一般的に有線接続の方が、レイテンシは小さくなる傾向があります)
改善するためにできること
オンラインゲームなど、レイテンシの小ささが重要な用途では、Wi-Fiではなく有線のLANケーブルで接続する、利用するサーバーをできるだけ近い地域のものに設定する、といった工夫が効果的とされています。
「回線は速いのに、なぜか重い」という相談の正体
「高速なインターネット回線に切り替えたのに、Web会議やオンラインゲームの反応がなぜか改善しない」という相談を受けることがあります。多くの場合、これは帯域幅ではなくレイテンシの問題です。回線の「太さ」がいくら太くても、データが届くまでの「往復時間」自体は改善されないため、大容量ファイルのダウンロードは速くなっても、リアルタイムのやり取りの快適さは変わらない、ということが起こります。「速さ」を相談されたときは、まず「大きなデータを速く送りたいのか」「反応を素早く返してほしいのか」を切り分けて確認するようにしています。
押さえておきたいポイント
レイテンシは「反応の速さ」、帯域幅は「一度に運べる量」という、それぞれ異なる指標です。用途によって、どちらをより重視すべきかが変わってきます。