ルーターの寿命は「壊れるかどうか」だけでは測れない
Wi-Fiルーターは、目に見えて壊れなくても、内部的に「寿命」を迎えていることがあります。寿命には大きく分けて、本体の物理的な劣化による寿命と、セキュリティ面での寿命という、性質の異なる2つの側面があります。
セキュリティ面の寿命が、実は一番見落とされやすい
ルーターはインターネットへの入口にあたる機器のため、内部に弱点(脆弱性)が見つかった場合、メーカーがファームウェア(内部のソフトウェア)を更新して対応します。しかし、発売から年数が経ち、メーカーのサポート対象外になった機種では、新たに見つかった弱点があっても、修正プログラムが提供されなくなります。
IPA(情報処理推進機構)は、家庭用ルーターなどのネットワーク機器が、脆弱性を悪用されて第三者の攻撃の踏み台にされる「ORB化」と呼ばれる手口について、継続的に注意を呼びかけています。壊れていないからと古いルーターを使い続けることが、意図せず自分の家庭内ネットワークを危険にさらすことにつながりかねません。
買い替えを検討したいサイン
- 通信が頻繁に途切れる、あるいは極端に遅くなった
- 本体が異常に熱くなる、電源ランプの表示がおかしい
- メーカーの公式サイトで、使用している機種のサポート状況(ファームウェア更新の有無)を確認したところ、すでに終了していた
- 新しく購入したスマホやパソコンが対応する通信規格(Wi-Fi 6など)に、ルーター側が対応していない
買い替えの目安となる年数
物理的な部品の劣化という観点では、5年前後が1つの目安とされています。ただし、通信規格の進化やセキュリティ更新の終了という観点では、それより早いタイミングで買い替えを検討した方がよい場合もあります。「壊れていないから」ではなく、「サポートが続いているか」を基準に考えることをおすすめします。買い替える場合は、Wi-Fiルーターのサポート期限や対応規格を、購入前に確認しておくと安心です。
買い替え前にできる確認・対策
①メーカーの公式サイトで、使用中の機種のサポート状況を確認する
②ファームウェアが最新の状態になっているか確認し、古い場合は更新する
③管理画面の初期パスワードを、購入時のままにしていないか確認する
初期パスワードのままだと、第三者に管理画面へ不正にアクセスされるリスクが高まります。まだ変更していない場合は、この機会に変更しておくことをおすすめします。
実際によくある見落としがちな原因
- 「昔設定したきり、管理画面を一度も開いたことがない」という状態で、ファームウェアが何年も更新されていなかった
- プロバイダーから配布されたレンタル機器を、自分の所有物だと思い込み、不調があっても連絡せずそのまま使い続けていた
- 引っ越しを機に何年も同じルーターを使い続けており、通信規格が新しい端末の性能に追いついていないことに気づいていなかった
全体を通して言えること
Wi-Fiルーターの寿命は、壊れているかどうかだけでなく、セキュリティサポートが続いているかという観点でも判断する必要があります。まずは今使っている機種のサポート状況を確認し、ファームウェアが最新になっているかをチェックすることから始めてみましょう。
参考にした情報源
※ 製品ごとのサポート状況は変更されることがあるため、最新の情報は各メーカーの公式サイトもあわせてご確認ください。
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