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委託先管理(ベンダーリスク管理)とは?情報漏えいを防ぐ6つの確認観点

執筆・監修:よろずやIT編集部|編集方針を見る

結論:まずここだけ読めばOK

詳しい手順・原因は、この下で解説しています。

用語辞典のイラスト

結論: **委託先管理(ベンダーリスク管理)**は、業務やデータを預ける外部の会社のリスクを、選ぶ時から契約終了まで管理することです。**自社のシステムが無事でも、委託先が侵害されると、預けたデータが漏れます。**確認する観点は、預けるデータ・認証と権限・脆弱性対応・記録と検知・事故時の対応・終了時の6つです。

委託先管理とは

メールの配信、クラウドのサービス、システムの開発や保守、コールセンターなど、多くの企業は、業務やデータを、**外部の会社(委託先、ベンダー)**に任せています。

委託先管理は、その委託先の、情報セキュリティのリスクを、把握し、減らす取り組みです。ベンダーは、取引先を意味する言葉で、「ベンダーリスク管理」とも呼ばれます。

なぜ必要なのか:委託先で起きた事故が、自社の利用者に及ぶ

利用者の情報が自社を通じて委託先に預けられ、委託先が侵害されると預けたデータが漏れる関係と、委託先管理の4つの場面を示した図解

最近、メール配信の委託先で起きた事案が、続いています。

どちらも、利用企業の多くは、自社のシステムが侵害されていないのに、預けたメールアドレスが漏れました。利用者から見ると、「登録した会社から、情報が漏れた」と受け止められます。同じ構造の事案は、サプライチェーン攻撃とはでも解説しています。

確認する6つの観点

預けるデータ、認証・権限、脆弱性対応、記録・検知、事故時の対応、終了時の6つの観点を示した図解

観点 確認したいこと
① 預けるデータ どの情報を、何件、どこまで預けるか。不要な情報は預けない
② 認証・権限 管理用アカウントの多要素認証、IP制限、権限の範囲(最小権限の原則)
③ 脆弱性対応 使っているソフトや部品の更新の運用、診断の実施(脆弱性診断とペネトレーションテストの違い)
④ 記録・検知 ログの保管、不審な動きを見つけて対応できる体制(EDRとは)
⑤ 事故時の対応 通知までの期限、連絡先、影響範囲の報告の方法
⑥ 終了時 契約終了後の、データの返却・削除、再委託先の扱い

4つの場面で考える

① 選ぶ時

② 契約する時

契約書で、次のようなことを決めておきます。

項目 内容
事故時の通知 いつまでに、誰に、何を報告するか
再委託 再委託をする時の、事前の承認と、同じ水準の管理
監査 必要な時に、委託先の体制を確認できる権利
データの扱い 目的外の利用の禁止、保管場所、返却・削除
損害の負担 事故が起きた時の、責任の範囲

③ 使っている間

④ 終わる時

事故が起きた時の動き

委託先から、事故の連絡があった時に、すぐ動けるよう、事前に決めておきます。

  1. 事実の確認:何が、いつ、どこまで漏れたか(委託先に、情報提供を求める)
  2. 被害を広げない:該当する認証情報の無効化、関連するシステムの停止
  3. 利用者への連絡:何が漏れたか、利用者がやること、問い合わせ先
  4. 関係機関への報告:必要に応じて、個人情報保護委員会や、警察へ
  5. 再発の防止:委託先を含めた、見直し

事故の直後は、便乗した偽のメールやSMSが増えます。利用者に、公式の窓口と、不審な連絡への注意を、あわせて知らせます。

認証があれば、安心か

ISMS(ISO/IEC 27001)や、SOC 2などの認証・報告書は、委託先の体制を確認する、参考情報になります。ただし、次の点に注意します。

認証があるだけで、安全とは言えません。

小さな組織でも、できること

専任の担当者がいなくても、次の3つは、始められます。

  1. 委託先を、一覧にする(会社名、預けているデータ、連絡先)
  2. 預けるデータを、必要最小限にする(不要な項目は、預けない)
  3. 事故の連絡があった時の、連絡先と手順を、紙1枚にまとめる

まとめ

関連記事:サプライチェーン攻撃とは、SBOMとは、最小権限の原則、EDRとは、ユミルリンク不正アクセスで5162万件漏えい|自分は対象?やること

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よくある質問

Q.委託先管理は、なぜ必要ですか?

A.自社のシステムを、どれだけ守っていても、データを預けている委託先が侵害されると、自社の利用者の情報が漏れるためです。しかも、利用者から見ると、責任は、自社にあると受け止められます。メール配信や、クラウドサービスなど、外部に預ける場面が増えているため、委託先の管理が、重要になっています。

Q.何から始めればいいですか?

A.まず、どの会社に、どの情報を、何件預けているかを、一覧にします。委託先の洗い出しと、預けているデータの棚卸しです。そのうえで、預けるデータが多い、または機密性の高いものから順に、確認の優先度を決めます。

Q.ISMSなどの認証を持っていれば、安全ですか?

A.認証は、体制が整っていることを示す、参考情報の1つです。ただし、認証があるから安全とは言えません。認証の範囲が、委託している業務を含んでいるか、実際の運用(アカウントの管理、脆弱性の対応、記録の保管など)が行われているかを、確認することが大切です。

Q.再委託先の管理は、どうすればいいですか?

A.委託先が、さらに別の会社に業務を任せている場合があります。契約で、再委託をする時の事前の承認や、再委託先にも、同じ水準の管理を求めることを決めておきます。事故が起きた時に、どの会社に、どのデータがあるかを把握できるようにしておくことも大切です。

Q.事故が起きた時、利用者への連絡は、誰がしますか?

A.一般に、利用者と直接の関係がある、自社(委託元)が、連絡します。委託先からの報告を待つだけにせず、通知の期限、連絡先、影響範囲の報告の方法を、契約や運用で、事前に決めておきます。

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