結論: メール配信サービス「Cuenote FC」を提供するユミルリンクへの不正アクセスで、延べ5,162万8,280件の情報が漏えいしたと、2026年10月26日に発表されました。自分で契約していなくても、メルマガや会員登録でメールアドレスを預けた企業がこのサービスを使っていれば、対象になりえます。今日やることは、①公式サイトで確認する、②メールのリンクを開かない、③パスワードの使い回しを点検するの3つです。
※この記事は、2026年10月29日時点の公表情報に基づきます。件数や影響を受けた企業は、今後増える可能性があります。
何が起きたのか
ユミルリンクは、企業や自治体向けに、メールやSMSを一斉に送るサービスを提供する会社です。同社の発表によると、経過は次のとおりです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月16日 | 同社の担当者が、不正アクセスに気づく |
| 10月19日 | 第1報を公表。5システムで、延べ約900万件が出力されたと推定 |
| 10月25日 | 新たに42システムで、不正アクセスとデータの出力記録を確認 |
| 10月26日 | 第2報を公表。影響を受けた企業に連絡 |
第2報では、不正アクセスの対象は、メール配信サービス「Cuenote FC」(49システムで漏えい、延べ5,162万8,280件)と、顧客管理システム「Cuenote BASE」(190件)でした。5,162万件は、延べ件数であり、被害を受けた人の数ではありません。
どうやって入られたのか
同社の発表では、攻撃の流れは次のとおりです。
- ライブラリ(部品)の脆弱性を突かれた
- そこから、サポート・品質管理担当者の認証情報を取得された
- 不正プログラムを設置され、データベースからデータを出力された
- 取得した認証情報で、他のシステムにも、ログインを試みられた
同社は、脆弱性の修正、担当者の認証情報の削除、不正プログラムの検知体制の整備、認証画面・APIへの接続元IP制限などを実施したとしています。
ライブラリや脆弱性の基本は、ライブラリとは、脆弱性とはで解説しています。
なぜ「自分のアドレス」が関係するのか
メルマガや、会員向けの「お知らせメール」は、企業が自社で送るとは限りません。メールの配信を、専門の会社に委託していることが多くあります。
つまり、あなたが契約していない会社でも、登録先の企業が使っていれば、そこにアドレスが預けられています。委託先で起きた事案は、「委託先経由の漏えい」と呼ばれます。サプライチェーン攻撃の一種として、取り上げられることもあります。
漏れた情報は、企業ごとに違う
Cuenote FCに登録・記録される情報は、公式発表では次のように説明されています。実際に漏れた項目は、利用企業ごとに異なります。
- 配信先のメールアドレス
- メールに差し込むための、氏名・都道府県・生年月日などの付属情報(企業ごとに異なる)
- 配信の記録(メールアドレスを含む)
- 申し込みページの登録記録など
影響を公表した主な企業(10月28日時点)
報道によると、10月28日時点で、次のような企業・団体が、漏えい、またはその可能性を公表しています。
| 企業・団体 | 公表されている内容 |
|---|---|
| JR東海・JR西日本・JR九州 | 「エクスプレス予約」「スマートEX」のメールアドレス、会員ID、氏名(カタカナ)、会員種別。クレジットカード情報はなし |
| りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行 | メール配信先の顧客情報が漏れた可能性 |
| バンダイナムコエンターテインメントなど | 「THE GUNDAM BASE MEMBERS」の34万6,247件。メールアドレスと内部識別子。氏名・住所・パスワード・カード情報は含まれない |
| 野村證券 | 「i-Port」のメール配信先。登録されたポートフォリオ情報は漏れていない |
| サイボウズ | お知らせの配信先メールアドレスなど。kintone、Garoonなどで預かるデータへの影響はない |
| NTTPCコミュニケーションズ、毎日新聞社、インプレス、大日本印刷(honto)ほか | メールの配信先情報などが漏れた可能性 |
**上の一覧がすべてではありません。**調査中の企業もあり、今後も増える可能性があります。自分が登録しているサービスの、公式の発表を確認してください。