※この記事は、2026年10月14日時点の一般的な情報にもとづいています。機能の名称や仕様は、メールサービスによって異なります。
同じメールアドレスを使い回す、リスク
私たちは、ほとんどのサービスに、同じメールアドレスで登録しがちです。覚えやすく、便利だからです。
しかし、そのアドレスが1つのサービスから流出すると、次のことが起こり得ます。
- そのアドレス宛に、詐欺メールやSMSが増える
- そのアドレスをIDにしている、他のサービスに、不正ログインを試される
- 他の流出情報と、突き合わせられ、より本物らしい詐欺に使われる
2026年10月の事案でも、メールアドレスだけの流出が、多数公表されています(個人情報流出 2026年10月の主な事案|パスワード変更は必要?早見表、メールアドレスと電話番号が流出したら、何をされる?)。
使い分けの3つの方法
方法① 用途別に、別のアドレスを持つ
もっとも、シンプルな方法です。2〜3個のアドレスを、用途別に使い分けます。
| アドレス | 使う場面 |
|---|---|
| メイン(専用) | 金融機関、公的な手続き、重要なアカウント。人に教えず、登録先を絞る |
| 買い物・会員登録用 | ネットショップ、飲食、旅行、ポイントサービスなど |
| 使い捨て用 | キャンペーン、アンケート、一度きりの登録 |
メインのアドレスは、使う場面を絞ることが、最も大切です。そのアドレスが、詐欺の連絡の対象になりにくくなり、重要な連絡を見落とすリスクも、下がります。
方法② 1つのアドレスの「別名(エイリアス)」を使う
アドレスを複数持たなくても、1つのアドレスの別名を使える場合があります。
たとえば、Gmailでは、アカウント名の後に「+」と任意の文字を付けた別名宛のメールが、同じ受信箱に届く仕組みがあります。サービスごとに、別の文字を付けておけば、どのサービスから、アドレスが漏れたのかの手がかりにもなります。
ただし、次の点に注意してください。
- 登録先が、「+」を含むアドレスを、受け付けない場合がある
- 別名の元になっているアドレスが分かれば、別名からも元のアドレスを推測できる
- メールサービスごとに、機能の有無や名称が異なる
方法③ メールを隠す機能を使う
サービスによっては、本物のアドレスを隠して、中継用のアドレスを発行する機能があります。登録先には、中継用のアドレスを渡し、届いたメールは、自分の受信箱に転送されます。
- 不要になったら、中継用のアドレスだけを、停止できる
- 登録先に、本物のアドレスを知られない
提供元や機能の名称は、さまざまです。利用しているメールサービスや、OSの機能を、確認してみてください。
3つの方法の比較
| 方法 | 手軽さ | 流出時の影響の限定 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 用途別に、別のアドレス | 普通 | 大きい | 管理するアドレスが増える |
| 別名(エイリアス) | 手軽 | 中程度 | 元のアドレスを推測されうる。対応しない登録先がある |
| メールを隠す機能 | 手軽 | 大きい | 提供元の機能に依存する |
始め方
すべてを、一度に変える必要はありません。次の順に、進めてください。
- 新しく登録するサービスから、使い分けを始める
- メイン用のアドレスを決め、金融や重要なアカウントに絞る
- 重要なサービスから、登録アドレスの変更を検討する(変更できないものは、そのままでよい)
- 使っていないサービスは、退会する(使っていないアカウントの探し方と退会の手順)
使い分けと、あわせてやること
メールアドレスの使い分けは、対策の1つです。これだけで、安全になるわけではありません。
- メインのアドレスのアカウントに、多要素認証を設定する(乗っ取られると、他のサービスのパスワード再設定に使われるため)(2段階認証とパスキー)
- パスワードを、使い回さない(パスワード管理の基本)
- 不審なメールのリンクは開かない(巧妙なフィッシングメールは見分けられない前提で)