※この記事は、2026年10月14日時点の公表・報道にもとづいています。調査や各機関の対応は続いており、内容が変わる可能性があります。費用や手続きは、必ず各機関の公式サイトで最新情報を確認してください。
何が流出したのか
カーシェアリングサービス「タイムズカー」を運営するタイムズモビリティは、2026年9月25日にWebシステムへの不正アクセスを検知し、9月28日に、約660万アカウント分の情報が第三者に取得されたと発表しました。公表や報道によると、そのうち約160万アカウント分には、本人確認書類の画像が含まれています。
| 流出が確認されている情報(公表・報道) |
|---|
| 氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレス |
| 運転免許情報、運転免許証の画像 |
| 現住所確認書類の画像(公共料金の請求書など)、学生証、家族確認書類の画像 |
| パスワード(復元できない形式で保管と説明) |
クレジットカード情報の漏えいはない、と説明されています。また、対象には、会員だけでなく、退会済みの方や、申込みを完了しなかった方も含まれると、報じられています。
この記事は、このタイムズカーの件に限らず、運転免許証などの本人確認書類の画像が流出した時に役立つよう、対処を整理しています。流出全体の背景は、なぜ今、個人情報の流出が相次いでいるのかをご覧ください。
何が心配なのか
免許証には、顔写真・氏名・生年月日・住所・免許証番号が、まとまって載っています。これらが漏れると、次のような悪用が心配されています。
| 心配されること | 内容 |
|---|---|
| なりすましでの契約 | 銀行口座やネット銀行、消費者金融、携帯電話回線などを、本人の知らないところで契約される |
| 詐欺 | 氏名・住所・生年月日まで知ったうえで、「本人確認が必要です」と連絡され、本物の案内だと信じてしまう |
| 口座の悪用 | 勝手に開設された口座が、詐欺の振込先に使われ、名義人として事情を聞かれる可能性がある |
特に、フィッシングでは、警察庁も、狙われる情報として、運転免許証などの画像を挙げています。
ただし、冷静に:画像1枚で、簡単に悪用できるわけではない
報道では、「画像が流出したからといって、画像1枚だけで、銀行口座やクレジットカードを簡単に作れるわけではない」とも指摘されています。現在のオンラインの本人確認では、本人確認書類に加えて、本人の顔の撮影や、免許証のICチップの情報の読み取りなどを組み合わせる方式が、使われているためです。また、2027年4月からは、本人確認の方法が、ICチップ情報などを使うものへ、見直される方向と報じられています。
とはいえ、リスクがゼロになるわけではありません。必要以上に怖がらず、できる対策を、落ち着いて取ることが大切です。
5つの対処
① 自分が対象か、公式の案内で確認する
最初に、自分が対象になっているかを確認します。
- 通知のメールやSMSの、リンクは押さない
- 公式サイトや公式アプリ、以前から使っているブックマークを、自分で開いて、お知らせを確認する
- 分からない場合は、公式の問い合わせ窓口に確認する
流出の公表後は、その企業を装った、偽の連絡が届くことがあります。詳しくは、自分の情報が流出したと通知が来たら、巧妙なフィッシングメールは見分けられない前提でをご覧ください。
② 信用情報機関に、本人申告をする
注目されているのが、**信用情報機関への「本人申告」**です。日本信用情報機構(JICC)には、運転免許証などの紛失や情報漏えいなどの被害に遭った時に、信用情報に「名義悪用のリスクがある」という注意喚起のコメントを登録できる「不正利用防止の届け出(本人申告コメント登録)」があります。
登録すると、加盟会社がローンなどの審査で信用情報を照会した時に、そのコメントが確認でき、より慎重な本人確認や審査を行うための参考情報になる仕組みです。報道では、スマホアプリまたは郵送で登録でき、手数料がかかり、登録期間は5年間と紹介されています。画像などの情報が流出した場合も、「名義の悪用防止」として登録できるとのことです。
ただし、次の点に注意してください。
- 必ず不正利用を防げるわけではありません。リスクを軽減する効果が期待される、という位置づけです
- 国内には、JICCのほかに、CIC、全国銀行個人信用情報センターという、信用情報機関があります。機関どうしで本人申告情報を相互に利用できる仕組みはあるものの、加盟会社が他機関の情報を、必ず確認するとは限りません。各機関への登録を勧める案内もあります
- 費用・手続き・条件は、変わることがあります。必ず、各機関の公式サイトで確認してください
③ 免許証の再交付を検討する
タイムズカーの件を受けて、免許証を紛失していなくても、再交付を認める特例的な対応が、各地の公安委員会で広がっていると、報じられています。ある集計では、2026年10月9日朝までに、少なくとも14県で、情報漏えいに伴う再交付の特例的な対応が確認されたとのことです。北海道でも、希望者への再交付が、約2週間で約70件にのぼったと報じられています。
注意点は、次のとおりです。
- 都道府県ごとに、対応・受付場所・必要書類・手数料が異なります。住所地を管轄する運転免許の窓口の案内を、事前に確認してください
- 報道では、再交付で、顔写真と免許証番号の末尾が変わると案内されています。番号が、すべて別のものになるわけではありません
- 北海道警は、**「再交付しても、情報悪用のリスクがなくなるわけではない」**として、注意を呼びかけています
再交付は、対策の1つです。これだけで、安心とは考えず、他の対策とあわせて行ってください。
④ 不審な連絡・請求に、警戒する
数週間から数か月後に、悪用が表面化することもあります。次のようなものに、注意してください。
- 身に覚えのない契約・請求・督促の通知
- 口座開設や、携帯電話の契約を知らせる連絡
- 「本人確認が必要です」と、リンクを案内する連絡(詐欺の可能性があります)
- 流出を受けた「お詫び」や「補償」を装う連絡
迷った時は、連絡の中のリンクや電話番号を使わず、公式の窓口から、自分で確認してください。
⑤ 相談先を、把握しておく
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 流出した企業・サービスについて | 公式の問い合わせ窓口 |
| 不審な契約・請求・詐欺の疑い | 消費者ホットライン(188) |
| 警察への相談 | 警察相談専用電話(#9110)、最寄りの警察署 |
| 口座やカードの不正利用 | 金融機関、カード会社 |
| 携帯電話の、身に覚えのない契約 | 契約された可能性のある、通信会社 |
また、通知や請求、連絡の日時、自分が行った対応を、記録しておくと、相談する時に、状況を説明しやすくなります。