「あとで整理しよう」と思ったファイルが、本当に整理された試しがある人は、正直そう多くありません。これは意志の弱さの問題ではなく、そもそも「あとで整理する」という前提そのものに無理があるからだと思っています。
整理は「気合い」ではなく「仕組み」の問題
これまで色々な方のパソコン環境を見てきましたが、ファイルがきれいに整っている人と、そうでない人の違いは、真面目さでも几帳面さでもありませんでした。違うのは、整理する仕組みを先に決めているかどうか、それだけです。
自分自身も、ファイル名を適当に付けて後から見つけられなくなったり、同じような資料を気づかないうちに何個も作ってしまったりすることが、正直に言って今でもあります。専門的な仕事をしているからといって、こうしたミスと無縁というわけではありません。だからこそ「ミスをしない」ではなく「ミスをしても大丈夫な仕組みにする」ことの方が、現実的だと感じています。
まず、フォルダ構成を「決めて、固定する」
一番効果があったのは、「とりあえずデスクトップに置く」をやめて、フォルダの構成を先に決めてしまうことでした。凝った分類を作る必要はありません。大きな区切りを2〜3段階、あらかじめ決めておくだけで十分です。
- 年度やプロジェクトなど、大きな箱をまず決める
- その中を、細かく分けすぎない程度に区切る
- 「その他」フォルダは作らない(結局そこに全部集まって、また探せなくなります)
一度この構成を決めたら、あとは考えずに機械的にその場所へ置くだけにします。「今回はどこに置こうか」と毎回考える時間そのものが、実は一番のロスになっています。
ファイル名は「先頭に検索軸を置く」だけでいい
ファイル名の付け方に迷う方は多いですが、難しく考える必要はありません。日付やプロジェクト名など、後で探す時に使う軸を、名前の先頭に置くだけで、驚くほど探しやすくなります。
先頭に日付を置いておけば、ファイル一覧を名前順に並べ替えるだけで、自動的に時系列に並びます。並べ替えのたびに更新日時を目で追う必要がなくなるのは、地味に大きな違いです。
バックアップは、面倒でも2箇所に分ける
同期とバックアップの違いについては別の記事でも触れましたが、実務でも「クラウド1つだけに保存している」という状態は、正直かなり危うい状態だと感じています。個人的には、クラウドと外付けドライブなど、性質の異なる保存先を最低2つ用意することを、基本のルールにしています。
片方のアカウントに何か起きても、もう片方が生きていれば被害を最小限に抑えられます。「そこまでしなくても」と思うかもしれませんが、失って初めて気づく類のものなので、面倒でも先に手を打っておく価値はあります。
完璧を目指さない、という前提に立つ
整理術というと、几帳面に全部を美しく保つイメージを持たれがちですが、現実的にはそんな状態はまず長続きしません。大切なのは、多少雑になっても致命的にならないよう、仕組み側で吸収できるようにしておくことです。
- ファイルの置き場所に迷わないよう、フォルダ構成を先に決めておく
- 名前の付け方に迷わないよう、先頭のルールだけ決めておく
- うっかりミスをしても被害が大きくならないよう、保存先を分けておく
「気をつける」ではなく「気をつけなくても大丈夫な状態を作る」方が、結果的にずっと長続きします。
最後に
整理が苦手だと感じている方の多くは、単に「仕組み」を作っていないだけのことがほとんどです。今日から全部を変える必要はありません。まずはフォルダ構成を1つ決めることから、少しずつ試してみてください。