結論: 実験を踏まえると、急速充電や、寝ている間の挿しっぱなしは、気にしすぎなくてよいとされます。80%で止める設定は、効果はあるものの、守れる容量は数ポイントです。最大の敵は、熱です。夏の車内や、充電しながらの高負荷のゲームなど、熱を伴う使い方を避けることが、最も大切です。
3つの「常識」を検証
ITmedia Mobileが2026年10月18日に紹介した、複数の実験結果をもとに、整理します。
| 常識 | 実験から分かったこと |
|---|---|
| 急速充電は、バッテリーを傷める | 避ける理由は、見当たらなかった |
| 満充電のまま、挿しっぱなしはNG | 室温であれば、気にしなくてよいとされる。熱が問題 |
| 80%で止めると、長持ちする | 効果はあるが、守れる容量は、数ポイント |
急速充電は、避けなくてよい
スマホは、充電器の出力を、そのままバッテリーに流しているわけではありません。バッテリーの状態に合わせて、端末側が電流を制御しています。Appleも、満充電に近づくと電流を絞る、と説明しています。
あるYouTube上の実験(2機種を使い、120Wと18Wの充電を、半年間比較)では、容量の減り方の差は、1ポイント未満でした。ただし、2機種だけの結果で、すべてのスマホに当てはまるとは限りません。仕組みの解説は、急速充電の仕組みや、USB PDとはをご覧ください。
挿しっぱなしは、「熱」が問題
米国のメリーランド大学の研究チームが2021年に発表した実験では、満充電のまま放置する時間と、温度を変えて、バッテリーの劣化を比べました。結果として、
- 熱を伴う満充電の放置(夏の車内、充電しながらのゲームなど)は、避けたほうがよい
- 室温で、寝ている間に挿しっぱなしにしても、実験で劣化が速まった45度以上という条件からは遠く、気にする必要はない
とされています。満充電のまま置く時間を減らしたい場合は、初期設定でオンになっている最適化充電が、起きる時刻に合わせて、満充電を遅らせてくれます。
80%止めは、効果はあるが小さい
充電の上限を下げる設定には、実機の実験と、バッテリー単体の実験の、両方に根拠があります。減りを遅らせる方向は、どちらも同じでした。
- 「30%まで減ったら80%まで充電」を繰り返す使い方は、500サイクル後の容量の減りが、5〜100%で使う場合より、iPhoneで4ポイント、Androidで2.5ポイント少なかった
- ただし、守れる容量は、約1年4か月分の充放電で、数ポイントにとどまる
- バッテリーが熱を持つ条件では、その差も、ほぼなくなった
使う幅が同じでも、高い位置(40〜100%)で使うバッテリーが、最も速く減るという、研究結果もあります。
設定方法
iPhone
iPhone 15以降では、「設定」→「バッテリー」→「充電」で、充電の上限を、80%から100%まで、5%刻みで選べます。
Android
Pixel 6a以降では、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーヘルス」→「充電の最適化」に、80%制限があります。Galaxyなど、他の機種にも、同様の機能があります。名称や場所は、機種やOSのバージョンによって異なります。
80%止めを使うか、決め方
| あなたの使い方 | おすすめ |
|---|---|
| 1日に、半分も使い切らない | 80%止めを使う価値がある |
| 1日に、80%以上使う | 100%まで充電して問題ない |
| 地震や停電に備えて、残量を多く持っておきたい | 100%のままで、問題ない |
| 少しでも、バッテリーを長持ちさせたい | 熱を避ける使い方を、優先する |
最適化充電や、睡眠時間の保護は、起きる時刻に合わせて満充電にする機能で、夜中に災害が起きた時の残量までは、保証しません。備えを重視する人は、設定を見直してください。
バッテリーを長持ちさせる、いちばんのコツ
- 夏の車内や、直射日光の下に、スマホを放置しない。Appleは、iPhoneの使用に適した周囲の温度を、0〜35℃としています
- 充電しながらの、高負荷のゲームや動画編集を、避ける
- 厚いケースをつけたまま、熱がこもるような充電を、避ける
- 使う充電器やケーブルは、信頼できるものを選ぶ
充電の減りが早い、と感じる場合は、スマホの充電が減るのが早い原因と対処で、確認手順を解説しています。発熱については、スマホが熱くなる時の対処法も参考になります。
参考
※2026年10月20日時点の情報です。実験の結果は、条件によって異なります。最新の情報は、各メーカーの公式の案内でご確認ください。
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